【ネタバレなしレビュー】春ゆきてレトロチカが、美しくて良かった。
春ゆきてレトロチカ、クリアしました。
『パラノマサイト』が楽しかったのと、もともと『街』と『428』が大好きなので、面白そうだなと思い購入。結果、とっても良かったです。
ネタバレなしでレビュー。
ストーリー★★★★⭐︎
四十間(しじま)という一族と『不老の果実』が関わる、100年の間に起きた複数の事件を、ミステリ作家の主人公が解き明かしていくお話。
1話あたり2時間くらいずつのボリュームだったかな。
ドラマや映画を観るようなスタイルなので結構サクサク進みます。
あの件どうなったんだろう?なんてちょっと腑に落ちず進むようなところもあったのですが、ちょっとでも遊んでみようかなと思った方はぜひネタバレを全力で避けながら最後までプレイして欲しいです。トータルのプレイ時間も、推理パートによるけど多分15時間前後くらいだと思うので、そんなに大変ではないはず。
終章まで読んで、ゲームへの印象が変わりました。良かった。
実写ビジュアル★★★★★
ここが本当に良かったです!凄い。
実写のゲームだから出来た表現だったし、実写じゃなかったらここまで感動しなかったと思います。『実写である事の意義』がある。
新しくてチャレンジングだなと感じました。動画である事で演じている役者の皆さんのパワーが伝わってきました。本当に映画みたいで終盤結構泣いちゃった。凄いね。
それから、カメラの演出?絵づくりというか構図とか、色味がオシャレでどのシーンも絵になる。
カッコ良さとかレトロな雰囲気とかがしっかりと表現されていて最高でした。コンセプトの安定感。ヘアスタイルや衣装、舞台美術も観ていて楽しかったです。
話ごとに同じ役者さんが色々なキャラクターを演じる形式で、これが面白いです。この活用の仕方というか、アイデアが凄く良かった。
同じ人なのに全然違う雰囲気で、はじめ気付かない人もいました。演技をするって凄いねぇ。
システム★★★⭐︎⭐︎
推理ゲームのシステムってきっと作るの難しいよね。
推理をする脳内空間のデザインは映画のフィルムみたいでオシャレで綺麗で好きでした。観たいシーンをリプレイ出来るのは助かります。
システム面は、ちょっと改善できそうな点が見受けられた印象です。
◆選択肢の意味があったのか(シナリオ分岐は特になさそう?)
◆仮説を作るのが作業になっちゃう感じがある。
◆推理パートのまとめ部分を私はうまく活用できなかったかも。
以上は個人的な所感です。あと、Switchで遊んだのですが、仮説を作るパートで処理落ちなのかエラーがありました。ありがとうオートセーブ。
ミスリードさせるような仮説が出来ちゃう感じは個人的に好き。いっぱい間違えてしまった。それから、推理を間違えた時のゲームオーバー映像がそれぞれあるのが細かくて凄いです。
私が真相をわからないまま犯人を選択した所為で、主人公が自信満々に間違えてみんなに怒られてるの観ると、めちゃくちゃ申し訳ない気持ちになります。
これも実写動画の力だろうか。イラストとか人物の静止画より自分の心にダメージが入ります。不思議。
キャラクター★★★⭐︎⭐︎
どうしてもミステリーは事件が発生して『犯人』を推理をする必要があるので、全てのキャラクターの心情が深く描写されることが少ないからか、特定のキャラへの感情移入に時間がかかった気がしました。
伏線などの関係で、この人の今の発言は何だろう?と思う意味深なシーンはあちこちあります。でもその場で深く掘り下げず、話はどんどん進行していくので、どんな人間なのかが見えにくくなるのは仕方ないよね。
その結果、私の場合は特定の大好きな『キャラクター』が出来たのは終盤でした。
もし途中で離脱しちゃいそうな方にも、終章まで頑張って頂きたいなと思う作品です…楽しみ方はもちろん人それぞれだけど…。
まとめ★★★★⭐︎
映像の美しさと伏線の張り方が素晴らしかったなと思います。
もっとクリア後のコンテンツがいっぱい観られたら嬉しいな、なんて思いました。
終わっちゃったのが名残惜しいよ。とても上品な映画を観たような気持ちになる作品です。
登場したキャラクターのスピンオフ作品とか観たくなる感じ。もっと時間が経ってからネタバレ感想書こうかな。真相を知った状態で初めから読むと面白そうです。
なんだろう、何かとても綺麗な作品なんですよ。起きてる事件は凄惨で悲しいものなんだけど、何故かおどろおどろしくない、不思議な切なさと美しさのあるゲームでした。
映像美術とシナリオの力かな。上手く言葉にならない。先が気になって2日で駆け抜けました。面白かった。
時々セールがあるみたいなので、気になっている方はぜひ。
© 2022 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Developed by h.a.n.d., Inc. Story by Nemeton